シンプルなのに心動かされるものに惹かれます。絵本もそのひとつ。
というわけで、最近興味を持って購入しているチェコの絵本を紹介します。
まずは、イジー・トゥルンカの『ふしぎな庭』
チェコの絵本の中では日本でもよく知られている作品。
■所有している本の説明
原書は1962年に出版されました。僕の持っているのは邦訳版で、ほるぷ出版から1979年に出版された絵本です。現在は絶版になっているので古本で入手するしかありません。
ネットだとオークション出品を探すかAmazonのマーケットプレイスで入手することが出来るでしょう。
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トゥルンカ(1912〜1969)は「チェコアニメの巨匠」とも言われている人で、人形を使ったパペットアニメーションでご存知な方もいるかもしれません。
そのようなアニメーション作家の活躍の一方で、絵本のイラストも数多く手がけています。
トゥルンカの描く絵のタッチが色彩豊かで、水彩の淡い雰囲気といいとても素晴らしいのですが、『ふしぎな庭』はイラストだけではなく、文章も彼自身が書いた唯一の絵本として知られています。
そしてこの物語がまた奇妙でヘンテコで面白いのです。仲良し5人組の男の子が主人公ですが、彼らの会話も然ることながら、強烈に個性的な登場する動物の数々。いじわるでへそ曲がりな老ネコ、おせっかいなほど心優しいゾウたち、なんでも知っている物知りなくじら、見栄っぱりだけどおしゃまなハエの女の子など。
物語は5人の子供たちがふしぎの庭で体験する、文字通り不思議な出来事や小さな冒険、変わり者の動物たちとのふれあいなど、子供の好奇心を刺激して飽きさせない内容になっています。
世に出ている絵本の中には、子供を諭す大人目線で書いたある意味押し付けがましいものもありますが、この『ふしぎな庭』はトゥルンカ自身が自ら子供の心に戻って書いたような、大人になると忘れてしまう子供の頃に頭の中で想像した不思議な世界がキラキラと光り輝いています。
なので大人が読むと「何だこのわけのわからない話は?」と思ってしまう人もいるかもしれません。
この物語の魅力がわかる人は子供の心をまだ忘れていない人なのでしょう。この絵本を読んで子供の頃を思い出すのかもしれません。
ちなみにトゥルンカは「わたしは、子供向きの絵本を、子供の読者たちのためだけでなく、大人たちのためにも描いているのです」と生前に語っています。
この『ふしぎな庭』は彼の亡くなる一年前、1968年に国際アンデルセン賞を受賞しました。
こんな作品が国内で絶版なんてもったいない。ぜひ復刊して今の日本の子供たちにも読んで欲しい絵本です。
チェコの絵本については今後も少しづつ紹介していきたいと思います。
■リンク
人物リスト Jiri Trnka (イジー・トルンカ,イジー・トゥルンカ) Utrecht [ユトレヒト]